PMOやコンサルタントはもういらない?コグ二ティブPMOとは何か

将棋やチェスの世界で、コンピュータやAIとの対戦が話題になりはじめて久しいのですが、このところシステム開発の世界においても、AIがらみの話題として「IBM」、「ワトソン」というキーワードと共に、「コグニティブPMO」という聞き慣れないキーワードを、よく目にするようになってきています。

PMOを食い扶持として、極めて「人間力寄り」、つまり根回しやコミュニケーションなどのいわば「寝技」的なアプローチを主体としたPMO活動をおこなっている私にとって、「コグニティブPMO」は、もしかしたら脅威になる存在なのかもしれず、とはいえ「んなあほな、やれるもんならやってみい」くらいには思ってはいるものの、ちょっと気になるところです。「コグニティブPMO」とは、一体何なのでしょうか。

 

コンピュータが学習してPMOをやる?

コグニティブPMOとは、2017年に、IBMが統合リポジトリの話とセットで大々的に発表した次世代IT戦略方針のひとつで、今では居酒屋なんかで「電池が切れてうつむいたまま」、という姿をたまに見かける人型ロボットのワトソン君が、膨大なプロジェクト管理データやドキュメントの雛型、それにシステム構成やデータベース関連図に物理仕様、さらにはあらゆるユーザー問い合わせに対応できるFAQなどをを学習して、マルチウルトラハイパー要員と化して、ひとりで(1台か)PMO業務を回しちまおう、てな勢いの話のようです。

まあ、「いつかわからんけど将来的には」、ってことなので、今すぐ私の競合他社になるわけではないので、まずはひと安心なのですが(そういう問題ではない)、しかし一見、なんとも荒唐無稽な話に思えます。小難しい話をはしょると、「コグニティブPMO」とは要するに「コンピュータに学習させてPMOをやらす」、「コンサルタントやPMOの代わりに、べき論や論理的な判断を容赦なく下す」、ということなんだそうです。言下には当然コストカットの意図も透けてみえます。そんなことが本当にできるのでしょうか。

標準化や問い合わせ系はこなせそう

確かにPMOの作業タスクとはいえ「どのタスクも等しく、何もかも自動化できない」とはいえず、たとえばドキュメントの標準化テンプレートをプロジェクトに周知したり、テープ起こし的な議事録をドラフト作成したり、プロジェクト計画に則って局面局面で淡々とプロジェクト状況の定量評価をしたり、最新のドキュメントのありかを正確に周知したり、ってあたりのPMOの仕事は、ワトソン君、といいますか、コグニティブPMOにもできそうです。

これらの「ぱっ」と思い付く、「データ化しておけば悩み無用で引き出せる情報を扱うタスク」が軽減できれば、私たち人間PMOは、「寝技系タスク(根回しや飲み会等)」に特化することができ、かなり業務負荷が軽減されるように、一見思えます。

トライアルとフィードバックが必要

いや,でもこれはしかし、いわゆる「机上検証」というやつで、コグニティブPMOの導入がリストラに派生することを恐れるコンサルやPMOなどの「高単価スペシャリスト」達が、思いもかけない苦言を呈してきたり、議事録専門の派遣の要員なんかも、自分のテープ起こしのほうが「臨場感」を表現できる、とかいってくるかもしれません。

ともかく「新しい試みでは、かならず既得権を持つ人達が抵抗勢力になる(しかも上位マネジメントも含まれる公算が高い)」わけで、そういった人達が納得、妥協できるところまで、トライアルをやってブラッシュアップしていくのがよささきそうです。それまでに副業というか、マルチワークを完成させますよ、私は。