ITプロジェクトの納期とコストを半分にする方法

今主流のITプロジェクトの開発手法といえば、大きく二種類存在しています。ウォーターフォール型開発とアジャイル型開発が該当します。

他にもCCPMやプロトタイピング、スパイラル型など、組み合わせ型も存在していますが、ここでは納期とコストをなるべく小さく、できれば半分にするにはどうしたら良いか、という命題をクリアするためには、ウォーターフォールが良いのか、それともアジャイルが良いのか、はたまたハイブリッドが良いのか、実は別に正解があるのか、てなところを考察していきます。

 

上流工程のコストが大きいウォーターフォール型

まず、比較的大規模開発で、昔から当たり前のように採用されてきたウォーターフォール型開発は、時間をかけて要件を詰めつつ、ステークホルダーの合意形成もきちんと取り付けて進めていきますので、比較的時間がかかります。

しかも見積もり時には、想定外リスクをバッファとして積むのも一般的なので、非常に時間やコストがかかるようなスケジュールになりがちです。システム企画や要件定義という、動く「モノ」がない状況下で、既に大きなコストがかかってしまうことが特徴的です。

 

「モノ」は早くできるが手戻りリスクが高いアジャイル

上流工程、つまり設計段階に時間と工数をかけて、動く「モノ」がない状態の時に合意形成まで終わらせるというやり方のウォーターフォールは、一見安心安全に見えますが、①モノがないこと、②上流工程で既にコストがかかること、この二つが大きな課題です。

この課題を解消できるのがアジャイルで、ウリは「早くモノをつくる」、つまり「設計自体の工数や、設計段階での合意形成プロセスを簡略化してコストを落とす」ことに他なりません。

そうすると何が起こるか。一言でいえば「手戻りが多発」します。アジャイルでは、手戻りリスクを解消するために、あらかじめイテレーションと呼ばれる「繰り返し開発・テスト」工程を設けています。

これも一見課題解決の画期的なプロセスに見えますが、実際のところ、イテレーションの回数が一定数を越えると、期間的にもコスト的にもウォーターフォールと変わらなくなる可能性はありますし、ウォーターフォールを越える場合もありえます。

こう考えると、「ウォーターフォール型かアジャイル型か」という単純な二者選択、またはハイブリッド型を含めた三択が、コストカットに対する直接的な解にはならないことが、おわかりかと思います。

 

問題の本質はマネジメントにあり

コストカットに本当に必要な対策とは、実は開発手法の変更ではなく、変化に乗じた「マネジメントの変革」や「ガバナンス強化」、さらには「プロジェクトメンバーの優先順位意識の変革」ではないでしょうか。

「なんとしてもコストカットを実現する」という強い意志があれば、ウォーターフォール型でもリストラを進めることは可能であり、アジャイルであっても強い意志がなければ、イテレーションと変更要求のデスマーチを止めることは容易ではないでしょう。

 

制約理論やアジャイルが宗教と呼ばれる理由

このように、「新しい手法や方法論」は、いつの時代でも少なからず「旧来の価値観や優先順位を変える要素」が含まれ、変革が実は単なる方法論の変更ではないことは、数々の宗教的な論争や、戦争にまで発展するケースが多いことからも明らかです。

そして時の権力者や多数派の人達、つまり既得権を多かれ少なかれ享受している層は、大抵新しい概念に反対します。このあたり、アジャイルや制約理論が「宗教」といわれたりする所以なのです。

 

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