人間力と技術力とITプロジェクト

ITプロジェクトは、云うまでもなく「ITの仕事」なのであって、例えばド素人が何人か集まって「僕らは明日からITプロジェクトをやろう」と宣言しさえすれば成り立つものでは決してなく、組織として仕組みを作って頑張って勉強したり、一定期間技術的な訓練をやっていたりする要員がいて、初めて成り立つものです。もし素人が名乗っただけで成り立つのであれば、それはきっと成果が伴わない、詐偽のようなチームと活動に成り果ててしまうことは、想像に難くありません。

しかし、世間でITプロジェクトと呼ばれているイベントの、半分とはいわないまでも、かなりの割合の「プロジェクトの営み」が、思うような結果や成果を出せずに途中で頓挫したり、失敗していないまでも品質が全く伴っていなかったりするものなのです。これはなんでか。ダメダメなITプロジェクトや、停滞しまくりの俗にいう「デスマーチ」が発生してしまう原因には、必ず人間力と技術力の不足、英語でいえばマネジメントとITスキルの不足があります。

 

マネジメントとITスキルの重要性

マネジメントとITスキル、これらはいわばプロジェクトを推進するための「車の両輪」であり、どちらかが大きすぎたり小さすぎたり、片方がなかったりすると、たちまち行き詰まります。

ITプロジェクトにスキルを持った技術屋さんしかいなくて、プロジェクトマネージャーをはじめとしたマネジメントがいない場合、メンバーは皆、自分の得意な分野に籠って好きに活動してしまい、成果としては見るも無惨な「使えない部分最適の山」ができあがってしまいます。

かたやマネジメントばかりしかいなくて、実体であるモノ、いわゆるプロダクトに仕上げる技術屋さんがいない場合には、報告書やスケジュールといった中間成果物ばかりを積み重ね、経営者参加のプロジェクトの進捗会議は大評論大会に成り果て、まるで「相撲取りがいなくて評論家しかいない相撲番組」のような状態に陥ります。

前者も後者も、レアケースであるわけではなく、むしろ大半のITプロジェクトが陥っていて、人知れず隠蔽されていると考えても良いような、一般的な現実なのです。

個々人の当事者意識と強い意思一発でうまくいく確率は上がる

それではどうするのか。デスマーチは回避できるのか、といいますと、実はできます。先にお話したとおり、「マネジメントとITスキルの要員バランスを取った要員体制を作ること」がまずやるべきことですが、ITプロジェクトを成功させるためには、実はさらに必須で備えておくべき前提条件があります。どのようにすれば良いかといいますと、ずばり「個々人が高い志を持ってITプロジェクトに参画する」ということです。

大前提として、「文化的技術的な基本方針が同じまたは近い」集団であるにこしたことはないのですが(その場合は「いちいち細かく指示したり管理したりしなくても、勝手に良い方向に進む」確率が高くなります)、もし方針や価値観が混沌としていたとしても、個々のリーダーなり実務者なりが当事者意識を持って、かつ「やり遂げる」という強い意思を持ってプロジェクトに臨めば、そうしないでプロジェクトを進めるよりも、ずっと良い結果が期待できます。

マネジメントスキルとITスキルをバランス良く配置した体制を作り、なおかつ「当事者意識」と「やり遂げるという強い意思」を個々人が持つことで、ITプロジェクトの雰囲気、空気感を変えることになり、成功確率をもアップさせることができるのです。

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