「自分を仕事にする」は成り立つのか?

「自分を仕事にする生き方」というキーワードが話題になっています。まさに、当研究所の最大のテーマである「人間力とは何か」に直結する内容であることが想像されますが、このタイトルを見て直感的に浮かんだことを綴ることで、いまいま頭の中にあるいろいろな思いや妄想を整理して、なにがしかの直近アクションにつなげたいと思います。

 

作家の「自分の人生の切り売り」と同義?

「自分の人生を仕事にする」と聞いてまず思ったことは、かつて作家や芸人が、「芸の肥やしにいろんな経験を積んで、自分の人生の切り売りをする商売」といわれていた、ということです。これは概ね当たっている、と考えています。なぜならば作家や芸人は、「なりたい自分」や「売りたい自分」をイメージしたうえで、戦略的にイメージに沿って活動していることが多いからです。会社や組織の経済活動として意図的にイメージを作って、プロデューサーがついてイメージに合致するようにコントロールする、ということも一般的におこなわれていますので、いってみれば「自分を仕事にする生き方」とは、取り立てて「新しい方法」ではなく、「自分の人生、または戦略的に組み立てられた、イメージの切り売り」と同義である、と考えられます。

「自分の人生を仕事にする生き方」が注目されている理由

それではなぜ今、「自分の人生を仕事にする生き方」が注目されているのでしょうか。いろいろ考えられますが、大きな理由として3つ取り上げてみます。1つ目は「発信が容易になったこと」です。ひと昔前は、自分を切り売りしようとすれば、外に向かってなんらかの実行動をかなり頑張って取らざるをえなかったのですが、今はブログやSNSで、場所にも時間にも縛られず、簡単に発信することができます。お手軽さは、あまり深く考える前にアクションを先行させる、というメリットがあります。

2つ目は「社会的な不安感の増大」です。これは、今に始まったことではなく、いつの時代も社会的な不安感というものはあったはずなのですが、不況や雇用不安、世界の緊張状態などの「マイナス要素」が、近年よりクローズアップされているように思われます。もちろん受け手の立場や性格、性別、経済的な状況、健康状態などによって「クローズアップされているか否か」の印象は大きく変わってはくるのですが、それでも今の社会が、少なくとも「あまりいい状況とはいえない」ことは事実です。

ニーズが増大している?

そして3つ目、これが一番大きい理由ではないか、と考えているのが、「自分の人生を仕事にする」という方法に対しての、「ニーズが増大している」ことです。昨今の少子高齢化や、非正規雇用の増加などにも関連していると思われまが、これだけハウツー系の論説が溢れているということは、ニーズがかつてよりも増大している可能性が高い、と見てとれます。

リスク対策を考える

しかし、ニーズがあるからといっても、「自分を切り売り」するということは、発信内容や発信アクションを、基本的にすべてを自家製でまかなう必要があり、ワークとしてまわらなくなるリスクがありそうです。システムやパソコンなどでも問題事象としてよく見られるとおり、スタンドアローン=1人だけで実施する方法だと、パソコンでいえば「メモリー枯渇やCPU振り切りなどのリスク」、人でいえば「オーバーフローや過度に疲弊するなどして、発信のワークも、その他の社会生活も滞ってしまうリスク」がつきまといます。

この「個人がオーバーフローする」という事象は、破滅型芸人や作家、それに一般的にも精神的または肉体的に健康を害してしまう、といった実例がよく見られますので、「個人切り売り型ワーク」には、なんらかのリスクヘッジが必要です。一見、スタンドアローンリスクをSNSが補完しているようにも思えるのですが、直感的に「発信の数だけ負荷やリスクが発生するので、気持ち的にも物理的にも対策が必要」だと考えます。このあたりの対策や、「個人切り売り型ワーク」における、気持ちや時間、業務委託などのバランスは、継続してもう少し掘り下げて最適解を探していきます。

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